ホモテリウムHomotherium latidens
体長:2m肩高:1.1m新生代更新世(300万〜1万年前)

 スミロドンやマカイロドスがサーベルタイガーと呼ばれるのに対し、ホモテリウムはシミタールキャット Scimitar-toothed Cat と呼ばれる。
 薄い研ぎ澄まされた半月形の牙は獲物を切り裂く方へと進化し、後側は鋭い刃となっている。

 ヨーロッパとアジア、アフリカに広く分布していて、多くの種が区別されている。フランスで発掘された頭骨は基底全長302mm(Turner, 1997)で、インドライオン(299−313mm)とほぼ同大だった。中国では基底全長234mmの頭骨が見つかっており、これはキタペルシャヒョウ(185−223mm)よりいくらか大きい程度だ。しかしこれらを個体差、年齢差と見てユーラシア産すべてを同一種 H. latidens とする説もある。
 また北アメリカからも発見されている(H. serum )。化石はそう多くはなく、またたいていは断片的なようだが、テキサスの Friesenhahn Cave から保存状態の良好な標本が見つかっており、しかもそこからはさらに30体以上の子供を含む様々な年齢層の骨が一緒に発見されている。

 先祖筋に当たるマカイロドゥスと比べると胴が短めで、尾も短く、前脚が後脚よりも長い。ハイエナのように体の前方から後方にかけて傾斜した体型である。
 クルテン(1971)による復元では、前脚が長い上に後脚は短くて蹠行性だったので、奇妙な半直立姿勢をとっていた(右)。
 しかし Turner(1997)は今のライオンに似た前脚のよく発達した姿勢としている(下)。
 テキサスの Friesenhahn Cave からは70頭分以上に相当するマンモス(幼獣−ほとんどが2歳)の骨も見つかっている。ホモテリウムがマンモスの子を捕食したことはほぼ確実だが、しかし洞穴まで運ぶ必要があったのか? との疑問が残る。
 2歳といえどもゾウ、体重は少なくとも600kg以上あったはずだ。もしホモテリウムが群をなしていたのなら、狩りをした成獣が食べた後、残りを子供たちが待つ洞穴に運んだと考えることはできるが。

 北アメリカではスミロドンと比べると数は少なかったようだが、だからといって彼らが種として成功しなかったとはいえない。ヨーロッパでは3万年前、北アメリカでは14000年前まで生き延びていたという生存年数の長さはむしろ繁栄したことをを示している。
 ホモテリウムは北方や標高の高い地域を好んで、スミロドンと棲み分けていたのかもしれない。寒冷な気候に適応するために冬毛は長く厚かったと考えられる。

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